角膜の病気
角膜(一般に黒目と呼ばれる部分)には色々な種類の病気がありますが、その中でも主な病気が以下の3つです。
角膜炎
角膜は病気が起こると、表面に傷ができたり白く濁ったり、結膜(一般に白目と呼ばれる部分)が充血したりします。
角膜びらん 傷ができる原因として、角膜の乾燥や外傷、コンタクトレンズの長時間の装用などがあります。比較的症状が軽い場合には、角膜に小さな点状の傷ができ、眩しさや異物感などの症状が出てきます。この状態のまま、さらに角膜を乾燥させたり、コンタクトレンズの装用を続けてしまうと、角膜に激痛を伴う深い傷(※右図.角膜びらん)ができてしまうことがあります。
治療には医師からの処方薬の点眼が必要になり、コンタクトレンズ装用者の場合は、装用の中止が絶対条件になります。角膜にできた傷が浅い場合には傷跡を残しませんが、傷が深い場合などは、瘢痕となって白い混濁を残して治ることもあります。この濁りが瞳孔の前の部分にできると、視力に障害をもたらします。 眩しさや異物感などの自覚症状が出た場合には、ただちに医師の診察を受けていただくことをお勧めします。
角膜血管侵入
通常、角膜には血管がなく、酸素は涙を介して取り込んでいます。しかし、コンタクトレンズの長時間の装用を長期間にわたって続けると、角膜が酸素不足の状態が続いてしまいます。すると角膜に酸素を送ろうと、角膜の周囲から中央に向けて血管が伸びてきます。これを「角膜血管侵入」といいます。
特に18歳までの成長期にコンタクトレンズを長時間装用していると、血管の伸びは早いと言われています。
特に自覚症状は無いため、気付かずに放置してしまう方が多いのですが、侵入が進んでしまうと、最悪の場合、失明につながってしまう可能性もある危険な病気です。
血管の侵入を防ぐには、角膜の全体を覆ってしまうソフトコンタクトから、ハードコンタクトに変えることや、コンタクトレンズの長時間の装用を控えることが必要になります。
角膜内皮細胞の減少
角膜の一番内側にある細胞を、角膜内皮細胞といいます。
コンタクトレンズの無理な長時間装用を長年続けてしまうと、慢性的な酸素不足が生じ、角膜内皮細胞が減少してしまいます。この細胞は再生しないため、一旦減少してしまうと、元には戻りません。
細胞数の正常値は3000/m㎡ (※写真2.正常な内皮細胞)ですが、1000/m㎡以下(※写真3.減少した内皮細胞)に細胞が減少すると、角膜が濁り、視力低下の原因になります。 また、将来白内障の手術が困難になってしまう場合もあるのです。
角膜内皮細胞の減少を防ぐためには、やはり、コンタクトレンズの長時間の装用を避けることが必要です。また、コンタクトレンズは汚れてしまうと、酸素透過性が著しく低下してしまうため、レンズのケアを正しく行うことも重要です。
ドライアイ
ドライアイは「角結膜乾燥症」ともいい、単に涙の量が少ない症状については「涙液分泌不全」という病名になります。
涙液(=なみだ)の分泌が少なかったり、または涙液の質が悪いことが原因で、角膜(黒目)が乾燥してキズがついたり、眼の疲れやすさ・不快感を感じる病気です。
ドライアイの主な症状としては、乾燥による眼精疲労、眼のかすみ、目やにの増加、異物感などが見られます。症状が重くなると、眼痛・角膜充血・灼熱感などが起こります。
このような症状になっているにもかかわらず、治療せず放っておいてしまうと視力低下や角膜上皮剥離(角膜が乾燥によって剥がれてしまう病気)を発症してしまうことがあります。
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